微罪処分とは?外国人や学生が知っておくべきリスクと在留資格への影響~元警察官が解説します~

目次

微罪処分とは?

微罪処分(びざいしょぶん)とは、軽微な犯罪について、検察官に事件を送致せずに警察限りで処理する制度です。

犯罪事実が極めて軽く、被害者が処罰を望んでいないなど、一定の条件を満たす場合にのみ適用されます。

つまり「刑事事件」として前科がつくわけではありませんが、犯歴として警察内部には記録が残る点に注意が必要です。


微罪処分の対象となる主な犯罪

軽微で悪質性が低いケースが中心です。例えば以下のような事案が典型です。

  • 万引き(窃盗):少額、初犯で、示談(お店が代金を払えば訴えませんと言っているなど)が成立している場合。
  • 自転車窃盗・占有離脱物横領:鍵をかけ忘れた自転車を一時的に利用したケースなど。
  • 暴行:けがに至らず、当事者間で示談が成立している喧嘩など。

共通するのは「軽微」「被害者が処罰を望んでいない」「再犯可能性が低い」と警察が判断したケースです。


微罪処分と在留資格への影響

外国人の場合、特に気をつけなければなりません。

  • 前科はつかない

    微罪処分は裁判を経ていないため「前科」ではありません。在留資格の申請書に「前科なし」と回答できます。
  • 入管への情報伝達の可能性

    原則として警察内部の記録に留まりますが、場合によっては入国管理局へ情報が伝わることがあります。
  • 再犯時は処分が重くなる

    微罪処分は「一度限り」の例外的な処理です。短期間に同種の行為を繰り返した場合、2回目以降は通常、微罪処分は適用されず書類送検となり、検察官の判断で起訴・不起訴が決まります。

実務のリアル

警察官としての経験から、次のようなケースでは微罪処分が見送られ、検察官送致になることがありました。

  • 取調べで嘘をつき、後から発覚した
  • 警察官への態度が極めて悪い
  • 被害者が処罰感情を強く持ち、被害届を提出した

その場合、検察官の判断次第では起訴され、前科がつくことになります。


外国人も微罪処分される?

もちろん外国人も対象です。日本人と同様に、国内で起きた軽微な犯罪に適用されます。

ただし、外国人の場合は在留資格の審査という追加リスクがあるため、より慎重な対応が求められます。


犯歴と前科の違い

  • 前科:裁判を経て刑が確定したもの。罰金刑以上が対象。
  • 犯歴:逮捕や補導、微罪処分など、事件に関与した事実を含む広い概念。警察内部で管理。

微罪処分は「犯歴」には含まれますが「前科」には当たりません。


学校や学生への影響

未成年者や留学生の場合、学校生活に影響が及ぶこともあります。

  • 退学は稀:微罪処分だけで即退学はほとんどありません。停学・謹慎などが多い。
  • 校則次第:学校によっては「警察沙汰」になった場合、校則違反として指導対象になります。
  • 保護者や学校への連絡:未成年者の微罪処分では、保護者や学校関係者が警察署に呼ばれるのが一般的。留学生の場合は、担任の先生が身柄引受人になることもありました。

よくある質問(FAQ)

Q. 微罪処分を受けたことは就職に影響しますか?

A. 前科ではないため、企業の一般的な身元調査に出ることはありません。ただし公務員や一部の職種では警察照会が行われる場合があります。

Q. 在留資格更新の際、申告する必要はありますか?

A. 「前科の有無」を問われた場合は「なし」で問題ありません。ただし、入管が独自に把握している場合もあるため、同じ過ちを繰り返さないことが重要です。

Q. 微罪処分は何度も受けられるのですか?

A. いいえ。実務上、微罪処分は例外的な処理であり、短期間で繰り返すことは認められません。2回目以降は書類送検となるのが通常です。


まとめ

  • 微罪処分は「前科」ではなく「警察内部の処分」
  • 外国人の場合は在留資格に影響する可能性がある
  • 学校や職場への影響は限定的だが、ケースバイケース
  • 短期間で繰り返すと微罪処分は適用されず、書類送検される

軽微な事件だからと軽視せず、「微罪処分=将来に無関係ではない」ことを理解しておくことが大切です。


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