日本への観光やビジネス、親族訪問で利用される「短期滞在ビザ」。非常に便利なビザですが、活動内容を誤解すると不法就労とみなされ、将来的な入国拒否に繋がる恐れもあります。
本記事では、短期滞在ビザの範囲と、意外と知られていない注意点をわかりやすく解説します。
1. 短期滞在ビザで「できること」一覧
短期滞在ビザ(在留資格「短期滞在」)は、原則として日本国内で収入を得ない活動が対象です。
- 観光・レジャー:観光地巡り、保養、スポーツ観戦。
- 親族・知人訪問:家族や友人に会う、病気見舞い、冠婚葬祭への参列。
- 短期商用(報酬なし):
- 市場調査、打ち合わせ、契約調印。
- アフターサービス(海外で販売した機械の据え付け・修理など)。
- 宣伝、展示会への参加。
- 短期学習・見学:
- 工場見学、見本市等の視察。
- 短期語学学校への通学(学位取得を目的としないもの)。
- 大学受験や学校の下見。
- その他:ボランティア活動(無報酬かつ実費支給のみの場合)、文化交流。
2. 短期滞在ビザで「できないこと」一覧
最も重要なルールは、「日本国内に源泉がある報酬を受け取ること」が禁止されている点です。
- 収益を伴う仕事:
- 飲食店や工場でのアルバイト(たとえ1日でも不可)。
- 日本企業からの給与が発生する業務。
- 長期の滞在・定住:
- 91日以上の滞在(原則、最大90日まで)。
- 住民票の作成(在留カードが交付されないため、住民登録はできません)。
- 資格外活動許可の取得:
- 留学ビザなどと異なり、短期滞在ビザでは原則として「アルバイト許可」を取ることができません。
- 原則として「他のビザへの変更」:
- 日本に滞在したまま、就労ビザや配偶者ビザへ切り替えることは原則認められません(一度帰国して申請するのがルールです)。
3. 【意外!】実はこれはOK / NGなこと
意外と判断が難しいグレーゾーンをまとめました。
| 内容 | 判定 | 理由・条件 |
| 海外企業のフルリモートワーク | OK | 日本国内の企業から報酬を得ず、主目的が観光等であれば許容されます。 |
| 賞金が出る大会への参加 | OK | 業として(プロとして)参加するのではなく、アマチュアが副次的に得る賞金は報酬とみなされません。 |
| 講演会での「謝金」受領 | OK | 業として行うものではない、臨時の謝礼や交通費程度であれば認められます。 |
| 無給のインターンシップ | 実務提供がメインとなる場合、無給でも「就労」とみなされるリスクがあります。事前に確認が必要です。 |
4. 必ず知っておくべき注意点
① 「180日ルール」に注意
短期滞在ビザを繰り返して日本に長く居続けることはできません。「1年間のうち合計180日」を超えて滞在しようとすると、次回の入国拒否リスクが激増します。
② 不許可になると「半年間」再申請不可
一度ビザ申請が不許可になると、原則として6ヶ月間は同じ目的での再申請ができません。書類の不備や説明不足は命取りになります。
③ 延長(更新)は「人道上の理由」のみ
「もっと観光したい」という理由での延長は100%不可能です。病気や事故など、やむを得ない事情がない限り、期限通りの出国が求められます。
5. どうやって短期滞在を取るのがベストか?
スムーズにビザを取得するための戦略は以下の通りです。
- 査証免除国の確認:お相手の国が「ビザ免除国」であれば、申請不要でパスポートのみで入国可能です。
- 「招へい理由書」の作り込み:親族訪問や商用の場合、日本側の呼出人(招へい人)が「なぜ呼ぶのか」「滞在中に何をするのか(滞在予定表)」を詳細に書くことが、許可率を上げる最大のポイントです。
- デジタルノマドビザの検討:2024年から開始された「デジタルノマド向け特定活動(半年間滞在可)」など、2026年現在は短期滞在以外の選択肢も増えています。年収条件等に合致する場合はこちらを検討するのも手です。
行政書士からのアドバイス
申請書類に少しでも不安がある場合や、過去に不許可歴がある場合は、無理に自力で進めず、行政書士などの専門家に「書類チェック」を依頼するのが最短ルートです。
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