喧嘩から暴行事件に発展するケースとは~元警察官から心からのアドバイス~

些細な口論がエスカレートし、つい手を出してしまう――。

そんな「ちょっとした喧嘩」が、実は立派な暴行事件として警察に扱われることをご存じでしょうか。

おこのぎ

私は元警察官として数多くの暴行事件を担当してきました。その経験を踏まえて、「どんな行為が暴行になるのか」「事件後にどのような手続きが待っているのか」を整理して解説します。


目次

どのような行為が「暴行」になるか?

刑法上の暴行とは「人の身体に対する不法な有形力の行使」を指します。殴る・蹴るだけではなく、以下のような行為も該当する可能性があります。

  • 胸ぐらをつかむ、突き飛ばす
  • 髪の毛を引っ張る
  • 服を乱暴に引っ張る
  • 水をかける、塩をまく、唾をかける
  • 相手の持ち物を叩き落とす

直接的な接触に限らず、間接的に相手の身体へ影響を与える行為も暴行に含まれます。


「お互いやり合っていた」場合

よくあるのが「お互いに手を出した」ケースです。この場合、双方に暴行罪が成立する可能性があります。

  • 相互暴行として、両者が加害者かつ被害者になる
  • 警察は双方を送致し、検察が処分を判断する
  • 示談が成立すれば、不起訴になる可能性が高い

いわゆる「喧嘩両成敗」で、誰が最初に手を出したかよりも、実際に暴行があったかどうかが重視されます。


暴行事件後の手続きの流れ

暴行の程度や被害届の有無によって処理は異なります。

  1. 微罪処分
    • 軽微な接触、前科前歴なし、被害届なし等の場合
    • 警察の判断で検察に送致せず処理(前歴は残る)
  2. 簡易送致
    • 多くは地域課が担当、被害届あり
    • 書類が検察へ送られ、起訴・不起訴を判断
  3. 任意捜査
    • 暴行が悪質、過去の前歴が複数ある場合
    • 暴行の際に凶器を持っていた場合(バット、金属製の棒、スリッパ、空き缶、傘など)
    • 刑事課が捜査、検察に送致
  4. 逮捕
    • 逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合
    • 一方的・悪質な暴行、傷害に発展した場合
    • 逮捕されれば、最大20日間の身柄拘束もあり得る

あくまで法律論ではなく、ケースごとに警察がどう判断するかで決まります。


正当防衛は成立するのか?

正当防衛が認められるのは非常に限定的です。

  • 相手からの急迫不正の侵害があること
  • 自分や他人を守るためであること
  • 必要最小限の反撃であること

例えば「素手で殴られたのに刃物で刺す」行為は過剰防衛となります。

実務上、喧嘩の中で正当防衛が認められるケースは稀です

結論としては、いくら相手からやられてもやり返してはアウトということです。相手の攻撃を抑止、制圧する行為が正当防衛となりますが、警察の捜査の段階では相互暴行として判断され、検察が正当防衛と判断する場合もありますので、実務上では一概にこの行為は正当防衛にあたると判断しずらいのが現状です。


捜査と処分の期間

  • 警察での捜査:数週間~数ヶ月
  • 検察の判断:送致後およそ1ヶ月

示談が成立すれば早期解決となることもあります。


示談金・弁護士費用の目安

  • 怪我なし:数万円~20万円
  • 軽微な怪我:20万円~50万円
  • 入院・後遺症あり:50万円~数百万円

弁護士費用は一般的に以下の通りです。

  • 法律相談:30分5,000円~1万円
  • 着手金:20~30万円前後
  • 報酬金:20~30万円前後

元警察官としての見解

正直に申し上げます。

喧嘩をしても、得られるものは何一つありません

  • 警察からの呼び出しで時間を取られる
  • 弁護士費用や示談金など経済的負担が大きい
  • 前科がつかなくても「前歴」は残る

私は警察官時代に「処理する立場」で事件に関わってきましたが、自分が当事者になるのは絶対に避けたいと強く思っています。


まとめ

喧嘩が暴行事件に発展すれば、人生に大きな負担を与えます

「やり返す」ことは解決ではなく、問題を大きくするだけです。

「いいことはひとつもありません」

断言します。 

私は行政書士として、また元警察官としての経験を活かし、皆さまの防犯意識の向上に役立つ情報を発信しています。もし生活の中で不安やトラブルの芽を感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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