
痴漢に間違われたら、絶対に否認し続けろ
インターネット上でこうしたアドバイスを見たことはありませんか?
一方で、



認めて上申書を書けばすぐに解放される
という情報もあります。
果たして、本当に“否認し続ける”ことが最善なのでしょうか?
私は元警察官として、実際に多くの痴漢事件の現場に立ち会い、その後の取り調べや処理の過程を見てきました。
この記事では、私の経験を踏まえ、「痴漢に間違われたときの現実」と「最悪の事態を避けるための具体的対策」について解説します。
結論:否認すべきかどうかは状況次第。最も重要なのは「現場対応」と「日頃の備え」
まずお伝えしたいのは、「否認し続けるべきか」よりも、「警察官が来る前にどう行動するか」が重要だということです。
そして、根本的な防止策は、「痴漢と間違われない習慣を日常的に身につけること」です。
痴漢に間違われた後の警察での「現実」
1. 現場での初期対応と聴取
電車内で痴漢と間違われると、多くの場合、駅員を通じて警察が駆けつけます。
警察官はその場で、被害者と**被疑者(間違われた側)**を分けて事情を聴きます。
| 対象 | 確認事項 | ポイント |
|---|---|---|
| 被疑者(あなた) | やったか/やってないか、氏名・住所・職業など | 最初の「やっていません」が後の判断に大きく影響します |
| 被害者 | 触られた箇所、見た・確認したか、被害届を出す意思 | 被害届が出れば事件化する可能性が高まります |
2. 刑事による事件化の判断
現場からの報告を受けた刑事は、次の要素をもとに事件化するかを判断します。
- 被害届の提出意思があるか
- 目撃者や防犯カメラ映像があるか
- 被害者の証言の信憑性
- 「確認行為」(被害者が触られた瞬間に手や顔を確認しているか)
被害者の主張に明確な裏付けがある場合、事件化の可能性は高くなります。
しかし、冤罪の可能性が残る場合でも、警察は原則として被害者の訴えを重視します。ここが、無実の人にとって厳しい現実です。
否認 vs. 認める(上申書)― どちらにも「地獄」がある
1. 否認し続けた場合:逮捕・勾留のリスク
「やっていません」と否認し続けた場合、警察は「証拠隠滅や逃亡の恐れがある」と判断することがあります。
その結果、逮捕・勾留されるリスクが高まります。
主なリスク:
- 留置場での長期拘束(最長23日間)
- 職場への影響(欠勤・解雇・噂)
- 家族への精神的負担
最終的に「不起訴」になるケースもありますが、その過程で失うものは大きく、社会的信用が回復するまでには時間がかかります。
2. 否認せずに上申書を書いた場合:社会的信用の失墜
警察は、逮捕を避けるために「任意で上申書を書いてほしい」と促すことがあります。
しかし、そこに「触れた」「疑われた」という記載をすることになります。
もちろん、「触れてしまった」ということが事実であれば書く方がいいでしょう。
主なリスク:
- 「痴漢と間違われてしまった、疑われてしまった」という内容が残る
「触れてしまった」「結果疑われることになってしまった」ということは「痴漢を認めた」ということにはなりません。 - 家族・会社に連絡がいく(信頼関係の崩壊)
※場合によっては上司や家族に警察署まで迎えに来てもらう必要があります - 逮捕は免れても、社会的信用を失う
※上司や会社の関係者が警察署までくれば社内でうわさが広まる可能性があります。
否認すれば拘束のリスク、認めれば信用の喪失。
この「究極の二択」に陥らないためには、現場での冷静な対応と日頃の備えがすべてです。
元警察官が勧める:痴漢冤罪を防ぐ「現場対応」と「日常の備え」
1. 現場での対応ポイント(警察が来る前)
- 絶対に逃げないこと
線路に逃げるなどの行為は「犯人」として確定的に見られます。映像記録も残り、損害賠償の対象にもなります。 - 冷静に説明する
「私は両手でバッグを前に抱えていました」など、具体的な状況を丁寧に伝える。感情的な否定は逆効果です。 - 被害者への配慮を忘れない
相手を責めるのではなく、「大変な思いをされたと思います」と一言添えることで、冷静な対話がしやすくなります。 - 周囲に協力を求める
「すみません、確認のため皆さん一緒に降りてもらえますか?」と呼びかけることで、客観的証言を得られる可能性が高まります。
2. 日頃からの「痴漢に間違われない習慣」
混雑した電車では「両手を封じる」行動が命綱です。
- 両手でつり革を掴む
- バッグを胸の前で抱える
- 両手を前方で見える位置に固定する
この姿勢を保つだけで、周囲の目からも「痴漢はできない状態」に見え、冤罪リスクを大幅に下げられます。
女性の方へ:勇気を出して声を上げてください
痴漢は明確な犯罪です。
被害に遭ったら、ためらわずに周囲や駅員、警察に助けを求めてください。
スマホのメモ画面やジェスチャーを使って助けを求める方法もあります。
あなたの勇気が、他の被害者を救うきっかけになります。
信じられないかもしれませんが、首都圏の通勤、通学の時間帯のほぼ毎日どこかで痴漢が発生しています。
こんなに卑劣な男性が世の中には多いのか…これは私が警察官時代に思ったことです。
今までは、女性専用車両ができるから他の車両が混むのではないか…などと思っていましたが、日本の通勤、通学の電車には必要だと今は感じています。
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