
永住申請の手数料が20万円になるらしい



年収が日本人平均以上ないと通らなくなるって本当?



厚生年金を30年払っていないと永住は無理なの?
ここ最近、こうしたご相談を多くいただくようになりました。
SNSやネットニュースでは様々な数字や噂が飛び交っており、どの情報が正しいのか分からず不安になっている方も多いと思います。
結論から申し上げると、2026年8月12日時点では、手数料の金額も、年収・年金・日本語要件の具体的な基準も
「まだ正式には確定していません」
現在は出入国在留管理庁が公表した「案」に対して、パブリックコメント(意見公募)が行われている段階です。
この記事では、行政書士・元警察官の私が、出入国在留管理庁が公表している一次資料と主要な報道内容を整理し、
- 「今分かっていること」
- 「まだ決まっていないこと」
を明確に分けてご説明します。
内容は今後の正式発表により変わる可能性があります。確定情報が出次第、当ブログで改めてお知らせします。
まず押さえておきたい2つの改正の違い
今回話題になっている改正は、実は別々の2つの手続きに基づいています。混同されがちなので、最初に整理します。
①手数料の値上げ(政令改正)
永住許可・在留資格更新などの手数料そのものを引き上げるもの。2026年5月29日に成立した改正入管法に基づき、政令(金額の詳細)についてすでにパブリックコメントが行われました。
②審査基準の厳格化(ガイドライン改定)
永住許可を出すかどうかの「判断基準」を見直すもの。年収・年金・日本語能力などの考慮要素を明文化する内容です。こちらは2026年8月4日にガイドライン改定案が公表され、現在パブリックコメントの真っ最中です(締切:2026年9月3日必着)。
この2つは別のスケジュールで動いているため、情報が混ざりやすくなっています。以下、それぞれ分けて解説します。
手数料はいくらになる?いつから?
現行の手数料
永住許可申請:許可時に10,000円(収入印紙)
政令案での金額
出入国在留管理庁が示した案では、永住許可の手数料は現行の1万円から20万円に引き上げられる方向です。改正法で定められた法定上限は30万円ですが、実際に適用が予定されているのはこの20万円案です。
一覧表(政令案ベース)


出典 出入国在留管理庁
※この表はあくまで「政令案」の内容です。2026年8月時点でこの金額に確定したわけではありません。
いつから適用される?
出入国在留管理庁は2026年10月1日からの施行を目指す方針を示しています。過去の手数料改定(2025年4月1日実施分)では「申請の受付日」を基準に新旧どちらの手数料が適用されるかが判断されました。今回も同様の運用になる可能性がありますが、確定した告知文はまだ出ていません。
つまり「10月1日以降に窓口へ申請を出せば新料金、それより前に受け付けられていれば旧料金」という扱いになる可能性が高い、というのが現時点での見立てです。
収入要件はいつから?いくらになる?
いつから
ガイドライン改定案では、収入に関する新基準の適用は原則として2027年4月1日以降の申請分とされています。ただし、収入要件と「公共の負担にならないこと」の2項目に限り、ガイドラインの改定日から6か月遡った時点(2026年10月)以降の申請にも適用するという案になっています。
すでに今年4月以降に永住申請を出している方の審査にも、新基準が影響する可能性があるという報道も出ています。ただし、この「改定日」自体、案の原文ではまだ空欄のままであり、正式な日付は確定していません。
いくらになるのか
ここが最も誤解の多いポイントです。
ネット上では「日本人の平均年収以上」という表現がよく使われていますが、出入国在留管理庁が具体的な金額(〇〇万円)を公表した事実はありません。
報道で使われている「日本人世帯の平均年収」という表現も、どの統計(国民生活基礎調査など)の、いつの時点の数値を使うのかは明記されていません。「〇〇万円以上」といった具体的な数字を断定的に紹介している記事を見かけても、それは推測や独自試算であり、入管庁の公式基準ではない点にご注意ください。
年金要件とは?「30年」の意味を正しく理解する
報道されている内容
「厚生年金に約30年間加入した場合に相当する年金の受給見込額」を、生計を判断する材料の一つとする方向が示されています。
「30年払っていないとダメ」ではない
ここは非常に誤解されやすい部分です。
「厚生年金に実際に30年間加入していること」を求めるものではありません。あくまで「将来受け取れる年金額の見込みが、30年加入相当の水準に達しているかどうか」を、資産状況などと合わせて総合的に見る、という考え方です。不足する部分は預貯金などの金融資産で補えるとする報道もあります。
若い方は永住が難しくなるのでは?という疑問への回答
「年金加入期間が短い=若い世代は不利になるのでは」という不安の声を多くいただきます。
現時点で公表されている情報からは、「年齢によって一律に不許可にする」という制度にはなっていません。年金の受給見込額が基準に届かない場合でも、預貯金などの資産状況を含めて総合的に判断される方向が示されています。
ただし、具体的な計算方法・不足分をどう評価するかは公表されておらず、若い世代や在留期間の短い方にとって従来より審査のハードルが上がる可能性がある、という点は否定できません。この点は、正式なガイドラインの確定を待って改めて詳しくご説明します。
日本語要件が新たに追加される?
ガイドライン改定案では、日本語能力や日本の制度・生活ルールへの理解を、国益要件の考慮要素として明文化する方向が示されています。
現時点では、JLPT(日本語能力試験)の具体的な級(N1・N2など)や、それに代わる基準(職場での使用状況、地域活動の実績など)を組み合わせて評価する考え方が案として示されていますが、「何級以上必須」という明確な基準は公表されていません。
しかし、日本語能力 : CEFR(日本語教育参照枠)・B1相当(自立した言語使用者)を求める
との記載がありますので現時点だと日本語検定N2程度以上になるのではないかとの予想です。
「どのくらいの日本語レベルが必要か」という質問に、現時点で確定した答えを出すことはできません。正式なガイドラインの内容が固まり次第、具体的な基準をお伝えします。
そもそもなぜ厳格化するのか
出入国在留管理庁は、永住許可を「活動や在留期間の制限のない、最も安定した法的地位」と位置づけており、改定案には「許否の判断にあたっては特に慎重な審査を行う必要がある」という文言が新たに盛り込まれています。
これまでの運用が比較的緩やかな基準(独立生計要件について実務上年収300万円程度とされてきました)だったのに対し、今回の改定は「単に国益に反しないというだけでなく、積極的に日本にとって利益となる存在であること」を求める方向への転換だと位置づけられています。
背景には、永住者数の増加(2025年末時点で在留外国人は約412万人)や、生活基盤が不安定なまま永住許可を得るケースへの対応など、複数の要因があると考えられますが、政府が特定の理由を一つに絞って説明しているわけではありません。
まとめ 今、何をすればいいのか
現時点(2026年8月15日)で確定している事実は次のとおりです。
- 手数料引き上げ、審査基準の厳格化とも「案」の段階であり、正式決定ではない
- ガイドライン改定案は2026年8月4日に公表され、9月3日までパブリックコメントを受付中
- 手数料は10月1日、審査基準は原則2027年4月1日からの適用を政府は目指している
- 年収・公共負担要件については2026年4月申請分への遡及適用が案として示されている
一方で、収入の具体的な金額基準、年金の計算方法、日本語能力の各検定なの具体的要求水準はいずれも未公表です。
すでに永住許可の現行要件を満たしている、あるいは近い将来満たす見込みがある方は、正式決定を待たずに早めに申請を検討する価値があります。手数料・審査基準ともに、今より緩やかな時期は今後ないと考えられるためです。
一方で、要件を満たすかどうか微妙な状況で焦って申請すると、不許可のリスクがかえって高まることもあります。ご自身の状況が現行基準・改定案のどちらに該当しそうか、まずは専門家にご相談いただくことをお勧めします。
当事務所では、元警察官としての素行要件審査の視点と、中国語対応(WeChat・LINE可)を活かし、永住申請前の状況確認から書類作成までサポートしております。まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年8月12日時点で公表されている出入国在留管理庁の資料及び報道内容に基づいて作成しています。ガイドライン・手数料とも「案」の段階であり、確定した内容ではありません。正式決定・パブリックコメントの結果が公表され次第、内容を更新してお知らせします。
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