在留資格申請で虚偽申告をすると、刑事罰や強制退去の対象となります。元警察官で行政書士の筆者が、偽装結婚など実際の事例を交え、リスクと正しい対応策を解説します。
虚偽申告は「一生を左右するリスク」
在留資格の申請において虚偽の情報を申告する行為は、単なる“書類上の間違い”ではありません。
虚偽申告は刑事事件として立件されることもあり、外国人本人だけでなく、日本人の配偶者や関係者も罰せられる重大な犯罪です。
特に「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」など、配偶者ビザにおける「偽装結婚」は、実務上最も深刻な虚偽申告の一つです。
実際にあった偽装結婚のケース(警察官時代の経験から)
筆者は行政書士となる以前、警察官、中国語通訳として多くの偽装結婚事件を担当しました。
被疑者の多くは、生活困窮や在留目的のために、仲介者(ブローカー)を介して「形式的な結婚」をしていました。
日本人側の動機
- 金銭目的(報酬として数十万円〜数百万円)
- 借金返済や生活費のため
外国人側の動機
- 在留資格の取得・延長
- 不法滞在状態からの脱却
被疑者の実際の供述(通訳を通して)
「結婚すれば働けると言われ、仲介人に言われるまま書類にサインした」(中国人女性)
「サインするだけでお金がもらえると思った」(日本人男性)
このような供述からも、婚姻意思の欠如と金銭的動機が明白です。
こうした行為は「社会の信頼を裏切る犯罪」であり、摘発されれば刑事罰と強制退去処分の両方を受けることになります。
もちろん、日本で刑期を終えてからの強制退去です。
虚偽申告・偽装結婚に適用される法律と刑罰
| 行為 | 法律上の位置づけ | 罰則・処分 |
|---|---|---|
| 行為 | 法律上の位置づけ | 罰則・処分 |
| 虚偽の申請・申告 | 出入国管理及び難民認定法 第70条 | 3年以下の懲役または300万円以下の罰金 |
| 偽装結婚(虚偽の婚姻届提出) | 公正証書原本不実記載罪(刑法157条) | 5年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
| 虚偽申請で得た在留資格 | 入管法に基づく取消し・強制退去 | 5〜10年間の上陸拒否(場合によっては永久) |
偽装結婚が発覚すると、在留資格は即時取り消しとなり、強制送還(退去強制)処分を受けます。
その後、長期間(最大10年)は日本への入国が禁止されるため、将来の人生設計にも深刻な影響を与えます。
「ばれない」と思うのは危険!入管の調査は非常に厳しい
「多少の嘘ならばれないだろう」と考える方もいますが、それは大きな誤りです。
入管の審査は年々厳格化しており、調査の精度は警察捜査並みに高まっています。
入管が行う主な調査内容
- 書類の整合性確認:住民票・納税証明・収入証明・婚姻届出書の内容を徹底照合
- 面接・訪問調査:自宅訪問、夫婦個別面接、生活状況や交際経緯の確認
- 交際履歴の裏付け:写真・SNS履歴・送金記録・通信履歴
- 不審点の分析:年齢差・言語の壁・同居実態・過去の在留歴など
審査官は矛盾点や不自然な点を見抜くプロです。
嘘の供述や作り物の証拠は、必ずどこかで破綻します。
よくある虚偽申告のパターン
- 交際期間の偽装(短期間での婚姻)
- 住所の虚偽記載(同居していないのに同居として申告)
- 経済状況の虚偽報告(収入証明の偽造や水増し)
- 代理申請人による虚偽作成(仲介人が申請書を偽装)
- 実態のない就労契約(雇用契約書の偽造による就労ビザ申請)
これらはいずれも「軽い虚偽」ではなく、犯罪行為として扱われます。
在留資格の取り消し後に待っている現実
虚偽が発覚すると、次のような処分が待っています。
- 在留資格の取消し通知
- 退去強制命令(収容されることも)
- 日本への再入国禁止(5〜10年)
- 婚姻相手や仲介人の刑事処罰
つまり、「一度の虚偽申告」が人生全体を狂わせる可能性があります。
【行政書士が提案】虚偽ではなく「正しい方法」で道を開く
在留資格の申請は、正しい方法を取れば、誠実に認められるケースも多くあります。
申請内容に不安がある場合や、過去の事情で不利な点がある場合こそ、行政書士に相談することが最善策です。
当事務所では
- 経験豊富な行政書士が在留資格の可否を事前診断
- 法的に可能な在留資格の代替提案(例:特定活動・就労ビザ)
- 面接・実態調査に備えた書類準備・説明内容のアドバイス
- 虚偽や不自然な内容を避けるためのリスクチェック
元警察官・行政書士としてのメッセージ
「嘘をつくより、真実を整理した方が早く道が開ける。」
偽装や虚偽に頼る必要はありません。
警察官として偽装結婚事件の捜査に携わった経験、そして行政書士として在留資格申請を支援してきた経験から、私は確信しています。
誠実な申請こそが、最も確実で安全な在留への近道です。
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